温泉

長野県青木村ののどかな田園風景を抜けた先に、古くより地元民に愛された秘湯がある。湯の華が舞う源泉がドバドバと掛け流され、極上のぬる湯へ夏場は湯治客が絶えない。屋外には洗濯や洗車に使える源泉が流れており、地元民の生活に根ざしていることがわかる。公衆浴場のため訪れる際はシャンプーやボディーソープは持参しよう。

早雲の湯の名を戴くこちらの日帰り温泉は、箱根最古の源泉「惣湯」を含む7つの源泉が惜しみなく掛け流されている。男女日替り制で、権現の湯はシンプルな内風呂と檜造りの露天風呂が特徴。早雲の湯は火山岩をくり抜いた洞窟風呂や、打たせ湯があり湯巡りにもってこい。源泉スタンドも備え、新鮮な温泉を容器に入れて持ち帰れば自宅でも温泉を楽しめる。

昨今の異常な酷暑の中、体調が優れないと感じる方も多いのではないだろうか。そんな時には、ぬるい温泉に浸かってじっくり湯治をしてみてほしい。乱れた自律神経の働きを整え、驚くほどぐっすりと眠ることができる。看板猫の待つ全国的にも希少なぬるい酸性泉に、いざ一足伸ばそう。

鳥取県の三朝温泉、秋田県の玉川温泉、新潟県の杉村温泉に並ぶラジウム温泉が関東圏にもある。この増富温泉不老閣は世界有数のラジウム含有量を誇り、古くより療養泉として人々の傷を癒してきた。泉温は21℃前後と低く、夏の時期には火照った身体に染み渡る冷鉱泉が堪らない。鉄分、炭酸、ナトリウムも溶け込んだ濃厚な温泉を一度は味わってほしい。

洗い場の蛇口を捻ると、まず肌触りの違和感に気づく。まるで石鹸水のような強アルカリ性の温泉が、ここにまで贅沢に使われている。2023年のリニューアルに伴い、ドライサウナと源泉水風呂も新設。温泉サウナ好きの大人も、ドクターフィッシュを楽しむ子供も、どちらも大満足の名湯。

日本最古の和歌集、万葉集(760)にも詠われたここ湯河原温泉郷。石膏泉系の柔らかな泉質は名湯として江戸幕府にも献上され、その後も長く文化人らに愛された。川沿いのみやかみの湯には湯河原初となる炭酸温泉と水風呂、そして源泉掛け流しの露天風呂がある。さらに予約制の泥パックスチームサウナやハーブテントも備え、温泉通なら足繁く通いたい名湯。

西の富士と並び、関東平野に聳える東の名峰筑波。様々な果樹園が並ぶ山麓には、希少な放射能泉を持つ温泉施設がある。地下1300mの地層より湧出する源泉はかすかに石油系の香りがする。25℃前後の源泉浴と温泉の温冷交互浴で力が蘇る。

マリーナベイサンズを彷彿とさせるインフィニティ露天風呂が熱海にある。真新しい館内各所からは大海原を望むことができ、穏やかな波に心を奪われる。2種の岩盤浴とロウリュウサウナも完備し、一汗流したい方にもおすすめ。レストラン、カフェ、レトロゲームコーナーなど魅力が盛りだくさんの温泉施設。

源泉から立ちこめる硫黄の香りを嗅ぐと、「温泉」を実感する。硫黄泉は白濁する硫化水素型と、無色やグリーンの硫黄型に大別される。老神(おいがみ)温泉東明館は後者で、掛け流しの源泉が冷えた身体に染みわたる。餃子の満州が運営する旅館であり、群馬方面へお出かけの際は食事も兼ねてぜひ立ち寄りたい。

一夜城を築城した豊臣秀吉がこよなく愛した湯屋に、身を委ねる。何と館内には洞窟風呂や蒸し風呂等10以上の温泉があり、湯巡りを心ゆくまで楽しめる。泉質は無色透明ながらナトリウム・カルシウム－塩化物・硫酸塩泉がしっかりと肌を包む。源泉貸切風呂やドライサウナも備え、温泉好きなら一度は訪れたい。